『ホビット』見てきました!

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    「ホビット 思いがけない冒険」見てきましたよ、ユナイテッドシネマとしまえんのIMAX 3Dシアターで。

     

    先日、このブログで『ホビット』は148フレームのハイフレームレートで撮影された映画なので、それがどんなふうに見えるか確かめるべく映画館に行く!と宣言しました。

     

    で、もちろん宣言どおり映画館で吹替・3DHFRで見てきたのですが、その結果は…

     

     

     

     

    実はここで細かくレポートできるほど、HFRの特性を観察することはできませんでした。

     

    というのも、映画が面白すぎて始まって10分もしないうちから、HFRの観察という使命は頭から吹っ飛んでしまい、『ホビット』に没入してしまったんですね。

     

    いやー、面白かったです。「日本よ、これが映画だ」ってキャッチコピーは、この映画のほうでしょ。『ロード・オブ・ザ・リング』三部作公開中の高揚感を思い出しました。

     

    『ロード・オブ・ザ・リング』と『ハリー・ポッター』の後、児童文学を原作にしたファンタジー映画が一大勢力を誇るようになりましたよね。『ナルニア国物語』とか『ヒックとドラゴン』とか。でも、どれも『ロード・オブ・ザ・リング』とこの『ホビット』には敵いません。

     

    なぜでしょうね?

     

    CGの技術は素人の私には、どの映画も「スゲー!」ってレベルなので、特に影響はないと思います。ハン・ソロやリプリーのようなSF映画史に残るヒーローがいるというわけでもないので、キャラクターが魅力的な映画とも言い難い気がします。原作に割と忠実なので、脚色の力もそれほど大きくない気がするし…

     

    やっぱ、物語の見せ方ですかね。ひとつひとつのエピソードにかける時間からくるテンポとか(ゴラムとのなぞなぞは長いと感じましたが、あれって伏線的にたぶん大事なんですよね?)、ロングで風景見せるタイミングと、クローズアップで表情見せるときのカットバックのタイミングとか、専門的なことはよく分かりませんが、とにかく「そういえば、今日の晩御飯、何にしようかな」とか、「今、何分くらい経ったかな」とか、余計なことが頭をよぎることなく一気に最後まで見てしまいました。三部作であることも忘れて、スマウグのところに乗り込むところまで観賞する心の準備ができてたくらいです。

     

    主人公ビルボを演じたのは、私の中での昨年のナンバーワンドラマ(というか近年のナンバーワン)『シャーロック』のワトソン役マーティン・フリーマン。私の大好きな『ラブ・アクチュアリー』でポルノ映画の代役を演じてたのが最初の出会いでした。その後も、私の大好きな『銀河ヒッチハイクガイド』で主演、さらに私の大好きな『SPACED 〜俺たちルームシェアリング〜』のサイモン・ペッグの『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』にも出演。私の大好き路線に頻繁に顔を出す役者さんです。

    シャーロック 

     

    まあ、それでもHFRのことをまったく話題にしないのでは詐欺なので、ちょっと話してみますね。

     

    まず普通の映画を見るより目が疲れるなんてことはないと思います。一番の違いは、いわゆるフィルムっぽいパチパチした感じ(ザラザラした感じ?)がなく、家のテレビでブルーレイを見てる感じに近いということでしょうか。ただ『ホビット』のようなファンタジー映画には違和感なくマッチする映像ですね。

     

    これがイーストウッドが撮るようなヒューマンドラマ系の映画だと、どうでしょう? 人間のどす黒い部分も含めてドロドロした感情を描いているのに、映像だけやたら鮮明でみなまで見えてしまうってのはちょっと… という感じでしょうか。

     

    でも、コマ数が48になるかどうかは別として、今後フィルムはますます減り、デジタル撮影が主流になるのは確実でしょうね。音楽のレコード→CDiPodに比べると、遅すぎるくらいの流れですが。

     

    デジタル映像なら、映画館、テレビ、DVDWebとどんなメディアで流すことになろうと、データを加工しやすいでしょうし、新しい技術は設備投資も含めて基本的には業界を活気づけるはずです。

     

    いやー、それにしてもこの先、2〜3年『ホビット』の新作が見られるかと思うと、うれしいですね。

     

    最後に『エルマーとりゅう』の映画化と『はてしない物語』の前半をピーター・ジャクソンでリメイクを希望します。


    『アーティスト』今さら見ました!

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      もうすぐゴールデングローブ賞で、その後はすぐにアカデミー賞ですね。

      今年の作品賞の有力候補をひとつも見ていないうえに、つい先日、昨年の作品賞『アーティスト』をやっと見るという周回遅れの映画生活を送っております。


      アーティスト
       


      『アーティスト』はDVD特典映像のチェックを少しやったので、すっかり見た気になっていました。こういうパターンって結構多いんですよね。今週見に行く予定の『ホビット』も公開前のサイト上の予告映像を、半年間にわたって仕事で見てきたので、すでに本編も見た気になってます。

       

      で、『アーティスト』ですが、ご存じのとおり1930年くらいまでの映画のスタイル“サイレント”映画を現代によみがえらせた作品です。邦画にはサイレントの時代ってあったのでしょうか?よく知らないけど、欧米のサイレント映画ほどの質・量でなかったことは確かでしょう。アメリカ人にとってはおよそ80年ぶりに見たサイレント映画ということで郷愁の念もあり、つい作品賞をあげてしまったのでしょうか?

       

      サイレント映画を見ることで気づいた部分は多かったけど(例えば大げさな表情と口パクで言いたいことって大体伝わるのね、とか)、正直、制約がありすぎるので話としては物足りなかったかなと。『ヒューゴ』『ヘルプ』『マネーボール』など対抗馬がイマイチだったので、作品賞を取れたのでしょうか?それともアメリカ人は本気でこれが好きだったのでしょうか?

       

      それにしてもこれ、翻訳者は楽ですよね。いや、楽というと失礼だな… ただ仕事量は少なくて済みますよね。字幕は100枚くらい?数えてないけど、150枚は絶対にないと思います。

       

      1本の映画を見たら、字幕っていくつくらいあると思います?

       

       

      平均すると大体1000枚くらいです。

       

      もちろん、これは映画のジャンルや内容で変わってきます。アクション映画は、銃をバカスカ撃って、後ろで何かがボンボン爆発して、ガシガシ殴り合いをしてる間はセリフがないので、600800枚くらいです。

      ウディ・アレンの映画なんてしゃべりまくるので(特にアレン本人が)、2000枚近くいくこともあるそうです。

      韓国ドラマ・映画は字幕が多いです。特に韓国ドラマは11で交互にカットバックして延々としゃべるシーンの連続ですから、60分で2時間の映画と同じ1000枚くらいいくのもあります。

      アメリカもドラマは字幕が多く、42分くらいで500枚は超えます。ドラマはテレビで放映されるので、映画のようにのんびり風景を映したり、俳優の表情を長回しで撮ったりしてたら、チャンネルを替えられちゃうんですね。なので、セリフの連続で、字幕は多くなります。

       

      そして字幕翻訳の翻訳料金というのは、実は映像の長さで決まります。翻訳した量とは限らないんです。つまり45分のドラマなら45分ぶんの料金、2時間の映画なら2時間ぶんの料金という具合です。字幕の数は関係ありません。ですから、同じ2時間の映画を翻訳するなら、重厚でセリフの多いドラマより『エクスペンダブルズ』とかのほうが、はるかに燃費はいいわけです。

       

      『アーティスト』のギャラはどうだったんでしょうね?まさか「サイレントだから翻訳料金安くしてね」なんてことは、劇場公開だし、ないと思うのですが… だとしたら、普通の映画の10分の1くらいの労力でギャラは一緒というおいしい仕事になります。

       

      もちろん、翻訳者は作品を選べませんし、そもそも楽しようなんて考えてちゃいけない商売です。まあ、それでもそれで食ってくとなると、とりあえず台本をもらうとページ数に最初に目がいくわけです。「お!今回の仕事は、尺のわりにセリフが少ないぞ!」なんてね。まあ、逆にレオと渡辺謙の『インセプション』みたいにセリフの量うんぬんより、とりあえずストーリーを理解するのが難しすぎて、翻訳どころじゃなくなるなんて場合もありますが。

       

      ということで、字幕翻訳をするときに大事なのは、とりあえず映像と台本をもらったらすぐに1回最後まで訳してしまうことです。よく分からない部分や気に入った日本語がなかなか出ないところは飛ばして結構です。とりあえず最後までいっておかないと、納期までの時間の使い方が見えてきません。いただいた納期の3分の1くらいで1回最後まで訳し終えてるのが理想ですね。まあ、なかなかそうもいきませんが。

       

      う〜ん、私もサイレントの翻訳がしたい。


      SST G1で「ホビット」は翻訳できるのか?

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        この記事、ちょっと専門的ですがかなり興味深いです。

        http://www.pronews.jp/column/raitank/1205291130.html

         

        つまり、現在公開中の「ホビット 思いがけない冒険」は、これまでのほとんどの劇場映画のフォーマットである124コマのフィルムではなく、倍の148コマのフィルムで撮影されており、より滑らかでリアルな映像になってるっていうお話のようです。


        ホビット 

         

         124コマというのは、要するに鉄拳のパラパラ漫画で、1秒間に24枚の絵を見せられてると思ってください。
        http://www.youtube.com/watch?v=EqSeGQwmDd8

        これが48枚になるのですから、鉄拳の苦労は2倍、しかしながらパラパラ漫画の動きは絵が多い分、当然スムーズになります。

         

        実際に観たらどうなんでしょうね?同じ2時間の映画を観ても、4時間分観た疲労感に襲われるのでしょうか?年明けにさっそく観に行こうと思います。

         

        さて、これから字幕翻訳者を目指す方にはSST G1という字幕制作ソフトを紹介しておきましょう。

        http://www.canvass-net.com/solution/products/sst_g1/index.html

         

        これから字幕翻訳業界でプロデビューを目指す方にとって、最終的には必須のソフトです。このソフトで作ったデータでなければ、ほぼ受け入れてもらえないと考えていいと思います。

         

        で、難しい話は抜きにしますが、このソフトで対応できるフレームレートは主に劇場映画用の24fpsとテレビ番組などで使われる30fpsです。

        では、はたして48fpsの「ホビット」をSST G1で翻訳することはできるのでしょうか?それとも簡易的に24fpsの映像を用意してもらわないと対応できないのでしょうか?48fpsでスポッティングをする場合、字幕間は3フレームでいいのでしょうか?コマ数が多いんだから5フレームくらい取った方がいいのでしょうか?イン点も5フレームくらい前にしたほうがいいのでしょうか?などといろいろ考えちゃいます。

         

        すみません。まだ分からない人には分からない話でしたね。

         

        ということで、さっぽろ字幕翻訳スクールの「プロ入門コース」と「プロ実践コース」では、SST G1(簡易版)を使って授業を行い、より実践的な技術を身につけていただこうとカリキュラムを組んでおります。

         

        宣伝でした。


        とくくない…

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          「神経衰弱は、あまりとくくないみたい…」

           

          保育園で5戦全敗というショッキングな対戦成績に肩を落として帰宅した5歳の長男のつぶやきです。

          その日は、晩ご飯ができるまで2人で神経衰弱の特訓をしました。

           

          さて、話題にしたいのは長男の神経衰弱の熟練度ではなく、「とくくない」という言い間違いのほうです。

           

          言うまでもなく、彼は「得意じゃない」と言いたかったのですが、「とくくない」と言ってしまいました。日本語ネイティブの成人ならあり得ない間違いですが、実は幼児と外国人の日本語学習者にはよくある典型的な間違い方です。

           

          実は私、元日本語教師でして、子供の言語獲得の過程というのは、子育てをしてみて初めて実感できる部分が多く、いつも「幼児なりに文法を習得していってるのね」と毎日、感心してしまいます。

           

          で、「とくくない」ですが、「得意」は品詞分類でいうと形容詞に当たります。

          そして、日本語の形容詞は大きく2つに分けられます。

          イ形容詞とナ形容詞です。これは小学校などで教える呼称ではありません。日本語教師が外国人の日本語学習者に教える際に使う呼び方です。

           

          イ形容詞→明る部屋

          ナ形容詞→清潔部屋

           

          名詞の前に付くとき、最後が「イ」のものがイ形容詞、「ナ」のものがナ形容詞です。

          イ形容詞は「早い」「寒い」「高い」「遠い」など、古来からの日本語、いわゆる大和言葉が大半を占めます。

          ナ形容詞は「楽観的な」「簡素な」「困難な」「モダンな」など、中国、欧米などから輸入された外来語が多いのが特徴です。

           

          話をいきなり別の場所に持っていきますが、「このアクセサリー、きれくない?」っていう言い方、聞きますよね?

          私の印象では、若い世代ほど、そして西日本に向かうほど、「きれくない?」の発生率が高まる感じです。

           

          これも「きれいじゃない?」が正しい形ですが、「とくくない」と同じ考え方をたどった言い間違いです。

           

          つまり、「得意」「きれい」という2つのナ形容詞は語幹が「とく」「きれ」とたまたま「イ」で終わります。このため、この2つの単語をイ形容詞と錯覚して、イ形容詞と同じ活用をさせた結果が、「とくくない」「きれくない」というわけです。

           

          長男も、「さむい」→「さむくない」なら、「とくい」→「とくくない」ときちんとした文法的類推から、この言い間違いにたどりついたわけです。

           

          翻訳者は日本語ネイティブの成人ですから、まさか「とくくない」とは書かないでしょうが、なぜ「とくくない」という言い間違いがあるのか理由を聞かれても、なかなか答えられないのではないでしょうか。

           

          なんてことをうじうじ考える訓練を日本語教師時代に受けてきたものですから、長男のいろんな言い間違いにいちいち考察を重ねてしまうので、疲れちゃいます。

           

          ということで日本語の豆知識でした。知らなくても翻訳者にはなれますが(日本語教師にはなれません)、まあ日本語に磨きをかける訓練みたいなものです。知ってると翻訳に役立つ豆知識もそのうち書きますね。


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