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w closet×JUGEM

翻訳

映像翻訳フォーラム 行ってきました!

去る3月22日(日)に、私が以前勤めていたワイズ・インフィニティ様主催の第10回映像翻訳フォーラムに参加してきました。
 
以前は司会や分科会の講師など、フォーラムを作る側でしたが、参加する側としては昨年に続き2度目の参戦です。今回は節目の第10回ということもあり、2階席まで埋まる大盛況ぶりでした。

フォーラム
 
当日の午前中の便で向かったため(前日の夜までよりによって飛行機墜落事故のドキュメンタリーのチェックをしてました…)、特別講演のキネマ旬報社の清水勝之氏のお話がほとんど聞けず、もったいないことをしてしまいました。翻訳の話というよりは、映画離れやそこから映画料金の値下げに踏み切れない悪循環のジレンマなど、映画業界への深い愛と洞察にあふれるお話だったようです。
 
次のパネルディスカッション(1)は、ダブルワーク、地方在住、子育てと字幕翻訳者を取り巻く典型的な環境の中で翻訳をされている方たちのお仕事ぶりが聞けるもので、これから字幕翻訳を勉強する方、今勉強している方には、身近な疑問・不安に答える充実した内容でした。私がワイズ・インフィニティで講師をしていた時の生徒さんや、コーディネーターとして翻訳をお願いしていた翻訳者さんばかりで、そういう意味でも今、勉強している方の数歩先を行く人たちですから、すごく刺激を受けられる話ばかりだったと思います。
 
この辺の事情は、さっぽろ字幕翻訳スクールの講座の中でも実際にお仕事をするには、どういった環境が必要で、どういう人たちが仕事をしているのかといったお話をしていこうと思います。

フォーラムパンフ
 
さて次のパネルディスカッション(2)は、今、勉強している方の数十歩先も行く大ベテラン翻訳者の夢の共演でした。いずれもキャリア30年の大ベテランで、字幕をつけてきた映画の数もいちいち覚えていられないというレベルの方ばかりです。まだ字幕翻訳の学校もなかった時代に現場で鍛えられて、いつの間にか字幕翻訳者になっていたという方たちばかりなので、とにかく個性的です。“今、勉強している方の数十歩先を行く”と書きましたが、実際は歩んできた道が全く違う方たちなので、同じ道を歩む翻訳者はもう出てこないと思われます。
 
どんな業界でもそうだと思いますが、その業界の黎明期に活躍するパイオニアというのは型破りな方たちばかりです。岡田壮平先生なんかは、声優で言えば、野沢那智やささきいさおや広川太一郎という感じです。パネルディスカッション(1)に出ていた方たちは、竹達彩奈や沢城みゆきや花澤香菜という感じです。
 
今後の声優業界に広川太一郎が生まれないのと同様に、字幕翻訳者も林完治先生辺りの世代を最後に、独特の空気をまとった作家性のある翻訳者というのは出てこないでしょうし、どちらが優れてるとも言えない話ですから、今の時代の翻訳者はそのままでいいんだと思います。ですから、今、勉強している方には、学校で体系的に字幕翻訳が学べるという恵まれた環境を生かして、夢に向かって突っ走っていただきたいと思います。
 
映像翻訳フォーラムの後の交流パーティーから、3月23日〜24日にかけてのクライアント様へのあいさつ回りまで、最新の業界事情を仕入れ、これからの1年間の種まきをしてきたつもりです。その辺の情報や空気感は、4月から始まるさっぽろ字幕翻訳スクールのプロ入門コースでしっかり伝えていこうと思います。
  • 2015.03.24 Tuesday
  • 23:32

翻訳

説明セリフ

「映画やドラマを上手に翻訳するには、どうすればいいでしょうか?」
 
生徒さんからいつもいただく質問です。
「日本語表現を磨く」「英語力をブラッシュアップする」「ハコ切りを工夫する」「調べ物をしっかりする」
どれもいい字幕を作るのに必要なことです。すべて正解です。
 
ただ今回は違った視点から映画やドラマの字幕をうまく書くコツ(と私が考えるもの)について書きたいと思います。
 
ノンフィクションの映像と違って、映画やドラマのセリフは大きく3つに分けられます。
 
1つめは、登場人物の感情を表現する感情セリフ、2つめは、物語の筋を伝える説明セリフ、3つめは、1にも2にも当てはまらないその他大勢のセリフです。
 
1の登場人物の感情を表現する感情セリフは、意外と苦戦しません。映画やドラマの登場人物の持つ感情というのは、何かしら自分でも感じたことのあるものですし、たとえ自分では感じたことのないものであっても、映画や小説やマンガなどどこかで目にしたことがあり、想像はできるというものばかりです。人類にとって未知の感情が描かれているものなど、まずあり得ません。そういう意味では、そういったなじみのある感情を表現するための言葉というのは、自分の中から絞り出すことができますし、映画や小説やマンガから表現を拝借してくることもできます。
 
3つめのその他大勢のセリフというのは、単なるYes/Noの返答や、「今日の朝食は?」「サラダとヨーグルトよ」といった当たり障りのない会話のことです。これも問題ありません。
 
最も意識して字幕を作らなければならないのが、2つめに挙げた“説明セリフ”です。
 
「必殺仕事人」を見てると(いや、見てないという人も多いかもしれませんが)、1つめのコマーシャル明けにいきなりどアップの中村主水が「何?!お七が越後屋にさらわれただと?!」ジャ〜ンっていうセリフが来ることがありますよね。これこそが説明セリフの真骨頂であり、最たる例です。

このセリフを聞けば、視聴者は今回のお話のセットアップをすべて理解し、残り40分で起きることもすべて予測できるのです。
「今回のヒロインは、お七という女の子で、悪役は越後屋なのね。いろいろハードルはあるだろうけど、40分くらいに三田村邦彦とか京本政樹が出てきて、越後屋に乗り込んでお七を助け出したら、最後は菅井きんと主水さんのコントでおしまいね」とすべて分かるわけです。
(「あぶない刑事」の舘ひろしがサングラスを外しながら、「何?!銀星会が取引に乗り出しただと?!」というパターンもあります)



中村主水舘ひろし
 

このように次に起きることの原因・理由・動機を説明したものが説明セリフです。
この説明セリフの翻訳がうまくいかない原因はいくつかあります。
 
まず説明セリフが見抜けないというのが第一の原因です。「必殺仕事人」の例は、視聴者も引いてしまうくらいのあからさまな説明セリフですが、普通 脚本家は説明セリフをいかに自然な会話の中に混ぜ込むかが腕の見せ所となってきます。ですから、普通の会話に見せかけた説明セリフを見抜き、説明セリフとして訳すことが大切です。
 
次に説明セリフで説明されることは映像化されてないことが多いという点です。「必殺仕事人」の例で言えば、越後屋の手下がお七を誘拐するシーンは映像としては描かれません。描く余裕があるなら、セリフは必要ないからです。特にドラマは日程や尺の問題で、映像としては表現せず、セリフで済ませるということが多くなります。そうすると説明セリフの中身というのは、字幕の文章だけで何が起きているのかを伝えなければなりません。俳優の演技からどんな感情なのか読み取れる感情セリフよりも、視聴者に伝えるのが難しいわけです。
 
そして説明セリフは原語で言ってない言葉を補わなければいけないという特徴があります。動作主は誰なのか、動作を受けるのは誰なのか、その他文章にするなら補ったほうがいい単語はないか、といった観点から字幕を作らなければいけません。
 
言葉を補わなければ伝わらないというなら、原語を聞いてるだけのネイティブはこのドラマを理解できないのではないか?もし理解できるなら、それを過不足なしに翻訳すれば通じるのではないか?という疑問が頭に浮かぶのは分かります。
 
しかし、実際私たちは「必殺仕事人」を見ていて、話の筋が分からないという印象を受けることはありませんし、英語の映画・ドラマならネイティブが、話が理解できないという印象を受けるものはあまりないはずです。
 
それは、耳から入ってきた情報の処理の仕方と、目を通して文字で読み取った情報の処理の仕方が異なるからです。
 
誤解をおそれず、おおざっぱに言えば、耳から入ってくる情報は雑な処理でも何となく理解できた気になれます。勢いのある情報処理なんですね。だから「はい、分かりました!」と意気揚々と、頼んだ仕事に取り組んでくれた人が、ひどい勘違いをしてしまうということがあるわけなんですね。話を聞いてないわけじゃないんです。脳は耳から入ってきた情報は本当の意味では理解してなくても、理解した気になれるんです。
 
ところが文字を通した情報は、丁寧に立ち止まりながら処理され、情報はしっかり吟味されます。理解したふりはできないわけです。だから文章で何か頼み事をした時には、「よく分かりません」という素直な反応が来ることがあるのです。
「分からない」という反応にイライラしてはいけません。文字情報を処理する側の能力が足りないのか、単に指示を出す側の文章がヘタなのか可能性は五分五分なのですから。
 
話が少し横道にそれましたが、そういうわけで説明セリフの字幕は、原語で言ってないことも補って、正しく処理できるだけの情報を与えなくてはならないんですね。
 
意訳の是非ということはよく言われますが、私はこと説明セリフに関しては、意訳のさじ加減のうまさが字幕の良し悪しを決定する要素だと思います。逆に感情セリフは、できるだけ原語からはみ出さず、(主観が入るような)意訳は避けたほうがいいと思います。
 
皆さんもドラマやマンガの説明セリフを発見する癖をつけてみてください。
  • 2015.03.09 Monday
  • 16:38

一般

新たな体験

2014年も間もなく終わりですね。

 

フリーの翻訳者になり、札幌に来て、そろそろ2年が経ちます。

新しいことを体験するには、環境を変えるのが一番手っ取り早いと思い、えいとばかりに住む所も働き方も変えてみたのですが、やはり2年前には想像もできなかったことが自分の身の回りで起きています。

 

ちょっと箇条書きにしてみますね。

 

車を運転してる。

子供の送り迎えをほぼ100%こなしてる。

長男の小学校の図書室のボランティアをしている。

PTAの役員をしている。

朝、納品を終えるとスーパー温泉に行ってる。

映画の日に映画館に行く。

長男が友達を家に連れてくると、お菓子を出してあげる。

クラシックのコンサートに行く。

そばが好きになる。

「妖怪ウォッチ」「ポケモン」「ディスクウォーズアベンジャーズ」「仮面ライダー」を欠かさず見てる。

極度の運動不足に陥る。

 

ざっと思いついただけでも、こんな感じです。

 

「クラシックのコンサートに行く」ですが、これはバイオリンをやっていて、千歳フィルハーモニーで演奏してる父親の影響です。北海道に帰ってきて、しょっちょう顔を合わせることになると、いろいろ影響を受けるものですね。父親の演奏するコンサートを見に行ったりして、はては長男がバイオリンを習いたいと言い始め、近所のエルム楽器に通わせることになり。

 

先日、千歳のアウトレットモールで千歳フィルが開いた小規模なクリスマスコンサートを見に行き、


千歳フィル 


翌々日には札幌中島公園にあるコンサートホール「きたら」でのバイオリン、フルート、パイプオルガンのコンサートにも行ってきました。


パイプオルガン
 

長男のレッスンについていき、家で練習させるために私もレッスンを聞いているのですが、音楽は全くの素人なので、全音符、二分音符、四分音符とかの説明を聞いてるだけで新鮮ですね。子供相手のレッスンとはいえ、ほぼ100%私も知らないことばかりなので、ふんふん言いながら聞いてます。

 

ということで、音楽の素養がまるでないので、音楽関係の翻訳をやる時などは少し苦労します。楽器の名前やら、音符の呼び方やら、仕組みやらは調べれば分かるのでいいんです。分からないことは、周りの人に聞けばいいのですから。妻はピアノの素養がありますし、父親はバイオリンをやっていて、弟は山野楽器のギター売りです。あと母親がハードロックおばさんです。
 

ただそのジャンル特有の言い回しというのが出てこないんですよね。

例えば、私は野球が好きです。野球特有の言い回しに苦労することはありません。野球を知らない翻訳者さんでも、三振とかファールとか四球とかは調べれば分かります。でも、「三振に斬って取る」とか「三振を奪う」とか「ホームランを放つ」とか、適切な動詞が書けないんですよ。

私も音楽に関しては、「リズムを刻む」くらいなら出てきますが、きっと他にもっと適切な言い回しがたくさんあるのに、貧弱な表現しかできてないんだろうなと思うんですよね。

 

そう考えると、やはり新しい体験がどんどん増えるような環境に身を置く、そういう努力をするというのは翻訳者には目に見えない貯金になりそうですね。

 

とりあえず、年が明けたら、20年ぶりにスキーを再開しようと思います。帰りにスーパー温泉にも寄れますし。

  • 2014.12.27 Saturday
  • 23:43

スクール

札幌国際映画祭アワードセレモニー

さっぽろ字幕翻訳スクールの在校生および卒業生が一部の映画の字幕翻訳を担当した札幌国際短編映画祭のアワードセレモニーに出席してきました。
 
受賞作品の一覧はこちらから
札幌国際短編映画祭2014アワード
 
当校が担当した映画の中では、「私たちの受難」が最優秀ドキュメンタリー賞を受賞しました。受賞の瞬間です。

私たちの受難
 
監督のトーマシュ・シリヴィンスキさんも会場にいらしていて、映画のことなどいろいろお話を聞けました。自分の関わった作品の作り手さんとお話しする機会はなかなかないので、貴重な体験になりました。

監督
 
こちらは、パーティーで歌うミュージシャン/俳優の審査員トーマス・イアン・ニコラスさん。

トーマス
 
 作品には、「さっぽろ字幕翻訳スクール/○○△△」と翻訳した生徒さんの名前も載せていただけましたし、パンフレットにも“フェスティバルサポート”として、当校のロゴを載せていただきました。

パンフ
 
 札幌国際映画祭は来年10周年を迎えるそうです。さっぽろ字幕翻訳スクールは来年もまた在校生と卒業生の力で映画祭を盛り上げていこうと思います!
 
  • 2014.10.14 Tuesday
  • 14:30

翻訳

札幌国際映画祭

 すでにさっぽろ字幕翻訳スクールのHPではお知らせしておりますが、10月8日(水)〜10/13(月)の札幌国際短編映画祭の映画を何本か、当校の在校生および卒業生が翻訳いたしました!

 札幌国際短編映画祭
 
 生徒さんたちにとっては、自分の字幕が映画祭で流れるという貴重な、そして夢のような体験ができましたし、私自身にとっても、札幌に字幕翻訳を広めるという大きな目標に向けての大事な一歩になったと感じております。

 
 さて、映画祭の字幕翻訳ですが、いくつかの点で通常の字幕翻訳とは異なる点があるので、少し書いていってみようかと思います。
 
1.国際的なラインアップ
 札幌国際短編映画祭で担当させていただいた映画だけでも、トルコ、ギリシャ、オランダ、台湾、ポーランドなど国際色豊かなラインアップですし、私もこれまでにフィリピン、インド、タイ、ロシア、中国、韓国などの映画を翻訳させていただいております。
 こういう機会がないと、なかなかハリウッド映画以外の映画を観る機会ってないんですよね。そして観てみると、映画の中の風景が違う、言葉が違う、人が違う、食べ物が違う、これだけでも新鮮です。そこにその国独自の社会問題だったり、風習だったり、人間模様だったりといったものが織りなされてくると、映画のエンターテインメント性とはまた別に、全く新しい経験ができます。そこが映画祭の魅力ですね。
 
2.英語字幕から翻訳する
 私はフィリピン、インド、タイ、ロシア、中国、韓国などの映画を翻訳してきましたが、もちろんタガログ語もヒンディー語もタイ語もロシア語も北京語も広東語も韓国語もできません。翻訳はすべて原語を英語に翻訳した台本をもとに行います。たいていの映画祭では、出品するのに英語字幕をつけることが義務付けられているんですね。ですから、英語台本が必ずあります。これをもとに翻訳するわけです。
 しかし、英語字幕といっても、私たちが目にする日本語字幕とはその中身もスタイルも全く異なり、ひと言で言ってしまえば、適当な字幕です。字幕が出るタイミングもてんでバラバラ、早すぎたり、遅すぎたり、長すぎたり、短すぎたり。また中身も原語が分かる人に監修してもらうと、たいてい直訳されてるだけで、ニュアンスが全く出ていなかったり、不自然な表現になっていたりということも多いです。さらに欧州言語以外の英語への直訳が難しい言語にいたっては、誤訳といっていいレベルの英語字幕も珍しくありません。
 そこで翻訳するにあたって大事になるのが物語を読み取る力です。どうせ原語が分からないのですから、映像に集中して登場人物の気持ちを考え、脚本家の意図を読み取り、自分の中で物語を再構築していく、英語字幕は、そのための数多くある手段の中のあまり頼りにならない一手と考えるのが、ちょうどいいくらいです。
 逆に言うと、英語の翻訳者で原語に引っ張られすぎる傾向がある人、物語を読み取る力に自信のない人には、自分の理解できない言語の映画を日本語字幕付きで観ることをお勧めします。英語が聞こえてしまうと、イマイチ詰めの甘い日本語字幕でも、原語で情報を補って読み流してしまいますが、原語が分からなければ、詰めの甘い日本語字幕には、即座に目がいくようになります。そうすると、自分でもっといい字幕を考える、物語の流れを読む、登場人物の気持ちを想像するといった作業をするようになり、いい訓練になります。
 
3.縦右字幕で1行11文字
 上にも書きましたが、映画祭で上映される映画はすべて英語字幕が横下に入っています。そのため必然的に日本語字幕は縦右(あるいは左)に限定されます。そして縦字幕なので、1行当たりの文字数は、10〜12文字程度になります。
 これは想像以上にやりにくいです。12〜14文字あれば、自然な日本語が改行もきれいにぴったり入るのにと思いながら、泣く泣く諦めるなんてこともしょっちゅうです。
 またハコ切りを短くする必要が出てきます。縦字幕で実際には最長でも15〜16文字くらいの字幕しか作れないのに、4秒以上のハコを切っては、文字数がもったいないからです。普通なら5秒弱くらいのハコにするところも、2秒+3秒のように2つのハコに分けることも少なくありません。
 また映画祭で上映される映画は作家性が高く、映像で語るタイプの映画が多い傾向にあるので、セリフもシンプルで力強い印象のものが多いです。ですから、それに見合った極限まで削った字幕というものが求められます。
 
4.スポッティングを英語字幕に合わせる場合も
 字幕の出るタイミングは、通常セリフが始まるところから終わるところまでですが、英語字幕が入っている映画祭の映画の場合は、この英語字幕に日本語字幕のタイミングを合わせるというやり方を採用する映画祭が少なくありません。
 しかし、これは上で書いたとおり英語字幕というのは日本語字幕ほど緻密なものではありませんので、出るタイミング消えるタイミングはバラバラで、ヘタすると誰のセリフなのか分からない場合も出てきます。これは普段の字幕翻訳とは大きく異なる作業になるので、ややストレスを感じる部分です。
 逆に通常の字幕と同様にセリフの音に合わせてスポッティングを取る場合は、原語が分からなくてもブレスでハコを切っていけばいいので、それほどいつもの作業と違うなという感覚はありません。字幕翻訳者としては、こちらのほうがありがたいのですが、そこは映画祭の主宰者のやり方に従って作業をします。
 
 以上の4つが映画祭の字幕翻訳に特徴的なことでしょうか。とにかく映画祭は字幕翻訳のプロだけで粛々と制作が進んでいくのと違って、本当にいろいろな人と関わり合いながら翻訳をしていくことになります。そして大多数の人が映画を愛しているので、ほとんどがいい出会いになります。また自分の仕事が映画祭で上映されるという確かな形が心地よいですね。DVDの特典映像の翻訳などは、自分の仕事を実際にDVDで観る機会というのはほぼありませんから、映画祭のように自分の仕事を観に行けるというのは特別なご褒美のように思えます。
 
 これからもさっぽろ字幕翻訳スクールは、札幌国際短編映画祭をサポートしていきたいと思います。皆さんもぜひ映画祭に足を運んでください。
  • 2014.10.02 Thursday
  • 01:31