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札幌国際映画祭

 すでにさっぽろ字幕翻訳スクールのHPではお知らせしておりますが、10月8日(水)〜10/13(月)の札幌国際短編映画祭の映画を何本か、当校の在校生および卒業生が翻訳いたしました!

 札幌国際短編映画祭
 
 生徒さんたちにとっては、自分の字幕が映画祭で流れるという貴重な、そして夢のような体験ができましたし、私自身にとっても、札幌に字幕翻訳を広めるという大きな目標に向けての大事な一歩になったと感じております。

 
 さて、映画祭の字幕翻訳ですが、いくつかの点で通常の字幕翻訳とは異なる点があるので、少し書いていってみようかと思います。
 
1.国際的なラインアップ
 札幌国際短編映画祭で担当させていただいた映画だけでも、トルコ、ギリシャ、オランダ、台湾、ポーランドなど国際色豊かなラインアップですし、私もこれまでにフィリピン、インド、タイ、ロシア、中国、韓国などの映画を翻訳させていただいております。
 こういう機会がないと、なかなかハリウッド映画以外の映画を観る機会ってないんですよね。そして観てみると、映画の中の風景が違う、言葉が違う、人が違う、食べ物が違う、これだけでも新鮮です。そこにその国独自の社会問題だったり、風習だったり、人間模様だったりといったものが織りなされてくると、映画のエンターテインメント性とはまた別に、全く新しい経験ができます。そこが映画祭の魅力ですね。
 
2.英語字幕から翻訳する
 私はフィリピン、インド、タイ、ロシア、中国、韓国などの映画を翻訳してきましたが、もちろんタガログ語もヒンディー語もタイ語もロシア語も北京語も広東語も韓国語もできません。翻訳はすべて原語を英語に翻訳した台本をもとに行います。たいていの映画祭では、出品するのに英語字幕をつけることが義務付けられているんですね。ですから、英語台本が必ずあります。これをもとに翻訳するわけです。
 しかし、英語字幕といっても、私たちが目にする日本語字幕とはその中身もスタイルも全く異なり、ひと言で言ってしまえば、適当な字幕です。字幕が出るタイミングもてんでバラバラ、早すぎたり、遅すぎたり、長すぎたり、短すぎたり。また中身も原語が分かる人に監修してもらうと、たいてい直訳されてるだけで、ニュアンスが全く出ていなかったり、不自然な表現になっていたりということも多いです。さらに欧州言語以外の英語への直訳が難しい言語にいたっては、誤訳といっていいレベルの英語字幕も珍しくありません。
 そこで翻訳するにあたって大事になるのが物語を読み取る力です。どうせ原語が分からないのですから、映像に集中して登場人物の気持ちを考え、脚本家の意図を読み取り、自分の中で物語を再構築していく、英語字幕は、そのための数多くある手段の中のあまり頼りにならない一手と考えるのが、ちょうどいいくらいです。
 逆に言うと、英語の翻訳者で原語に引っ張られすぎる傾向がある人、物語を読み取る力に自信のない人には、自分の理解できない言語の映画を日本語字幕付きで観ることをお勧めします。英語が聞こえてしまうと、イマイチ詰めの甘い日本語字幕でも、原語で情報を補って読み流してしまいますが、原語が分からなければ、詰めの甘い日本語字幕には、即座に目がいくようになります。そうすると、自分でもっといい字幕を考える、物語の流れを読む、登場人物の気持ちを想像するといった作業をするようになり、いい訓練になります。
 
3.縦右字幕で1行11文字
 上にも書きましたが、映画祭で上映される映画はすべて英語字幕が横下に入っています。そのため必然的に日本語字幕は縦右(あるいは左)に限定されます。そして縦字幕なので、1行当たりの文字数は、10〜12文字程度になります。
 これは想像以上にやりにくいです。12〜14文字あれば、自然な日本語が改行もきれいにぴったり入るのにと思いながら、泣く泣く諦めるなんてこともしょっちゅうです。
 またハコ切りを短くする必要が出てきます。縦字幕で実際には最長でも15〜16文字くらいの字幕しか作れないのに、4秒以上のハコを切っては、文字数がもったいないからです。普通なら5秒弱くらいのハコにするところも、2秒+3秒のように2つのハコに分けることも少なくありません。
 また映画祭で上映される映画は作家性が高く、映像で語るタイプの映画が多い傾向にあるので、セリフもシンプルで力強い印象のものが多いです。ですから、それに見合った極限まで削った字幕というものが求められます。
 
4.スポッティングを英語字幕に合わせる場合も
 字幕の出るタイミングは、通常セリフが始まるところから終わるところまでですが、英語字幕が入っている映画祭の映画の場合は、この英語字幕に日本語字幕のタイミングを合わせるというやり方を採用する映画祭が少なくありません。
 しかし、これは上で書いたとおり英語字幕というのは日本語字幕ほど緻密なものではありませんので、出るタイミング消えるタイミングはバラバラで、ヘタすると誰のセリフなのか分からない場合も出てきます。これは普段の字幕翻訳とは大きく異なる作業になるので、ややストレスを感じる部分です。
 逆に通常の字幕と同様にセリフの音に合わせてスポッティングを取る場合は、原語が分からなくてもブレスでハコを切っていけばいいので、それほどいつもの作業と違うなという感覚はありません。字幕翻訳者としては、こちらのほうがありがたいのですが、そこは映画祭の主宰者のやり方に従って作業をします。
 
 以上の4つが映画祭の字幕翻訳に特徴的なことでしょうか。とにかく映画祭は字幕翻訳のプロだけで粛々と制作が進んでいくのと違って、本当にいろいろな人と関わり合いながら翻訳をしていくことになります。そして大多数の人が映画を愛しているので、ほとんどがいい出会いになります。また自分の仕事が映画祭で上映されるという確かな形が心地よいですね。DVDの特典映像の翻訳などは、自分の仕事を実際にDVDで観る機会というのはほぼありませんから、映画祭のように自分の仕事を観に行けるというのは特別なご褒美のように思えます。
 
 これからもさっぽろ字幕翻訳スクールは、札幌国際短編映画祭をサポートしていきたいと思います。皆さんもぜひ映画祭に足を運んでください。
  • 2014.10.02 Thursday
  • 01:31

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